私のその言葉に、ヘスティアさんはポっと頬を染めた。
うわ、可愛い可愛い…私の中のこんな顔に生まれたかった選手権第2位にランクインされたヘスティアさんは、焦ったように取り乱した。


「え…私、説明してなかったかしら?」
随分恥ずかしそうに目を潤ませながらおずおずと聞いてきた。可愛い。

『わ、私が聞いていなかっただけかもしれません!すみませんでした、もう一度お願いできますか?』

こんな美女を泣かせたら私のポリシーが崩壊しそうだったので、咄嗟に嘘をついた。


え?私のポリシー?「可愛いは正義」…聞いてないって?そんな目で見ないでおくれ。



私が脳内でこんなことを繰り広げていたら、ヘスティアさんの方でぽふんっと大きな音が響いた。



何事だ!?と思って顔を上げると、

まあ、なんということでしょう──。

可愛らしい椅子とテーブルがいつの間にか設置されているではありませんか。



白を基調としたアンティーク調の椅子と、同様に誂えてあるテーブル。女子力高く見えそう。