突然空間に人が現れた。


…わあ、綺麗なお姉さん!白い部屋の中なのに、彼女は更に白かった。もはや神々しい。


あれ、人じゃないか。だって浮いてるもん。
え?何あれ?今宵並みに綺麗だわぁ……

と、考えていたら。


「初めまして、銀の子。」
美しくも儚い微笑みと共にそう言われた。


思わずぽけーっと見とれてしまう。あっ、挨拶返さなきゃ───の前に。

……あれ、ん?銀の子ってなに?てか今のが私に言われたとも限らないよね、と思い至り、周りをぐるりと見渡す。


が、私以外に人間はおらず、あとはこちらのきれいなお姉さんだけだった。




『あ、あの……もしかして、私に仰ってます?』

恐る恐る尋ねてみると。


「ええ、その通りです。はじめまして銀の子。私(ワタクシ)の名はヘスティア。気軽に名前で呼んでちょうだい」

よろしくね?と微笑みながら言われれば、その笑顔に好感を抱かない輩なんぞいるか。いや、いない。


『初めまして、ヘスティアさん。私は羽彩抄華といいます。──早速質問なんですが…ぎ、銀の子?って一体なんですか?』


不躾なのは重々承知の上で質問してみた。