……いや、でも教科書と制服が死亡確定だ。やっぱりめんどくさいけど傘はさそう。
────この時の判断が、これからの私の命運を分けるなんて知る由もなかった。
『ッッ推しがしんどい、、まじでオリバーやばいほんと好き結婚して』
唐突にキャラの名場面カットが頭の中で流れ出し悶える。え、誰かこの気持ち分かるよね?
グフグフ言ってた私は、赤信号にも関わらず止まろうとしない暴走車両に気付けず────傘をさしたことでさらに視界が狭まっていた────それの存在を認識した時には……
『……へ?』
……時すでに遅し。
ドッカーン!!
と、私を轢いたあと大きな音を立てて歩道に突っ込んだ所までは把握出来たのだが……そこからの記憶はない。
ああ、オリバーに微笑まれたい人生だった。贅沢すぎるかな?まあ、望むだけならタダだろう────と、目を閉じた。
