心臓がうるさいくらい暴れていて、頬が熱い。

目にうっすらと涙も滲んできた。


いざしてって言われると、恥ずかしくて、いっぱいいっぱいで身体が動かない。



「む、むりです……」

「……ごめん」

「あの、だから……森井くんからしてください」


言い終えると、息つく間もなく唇を塞がれる。


ふにゃりと溶けてしまいそうなくらい甘い感覚に力が抜けていく。


森井くんと一緒にいるのは落ち着くけれど、やっぱりドキドキする。




唇が離れて、森井くんの頭が私の肩に乗せられた。

チョコレートブラウンの髪が頬を擽ってくる。




「……あーもー」

「も、森井くん?」

やっぱり無理と言ってしまったことが問題だったのかもしれない。

怒ってるかな。嫌な思いにさせちゃったかな。