「それじゃあ、そういうときは一緒に食べようよ」

「えっ……いいの?」

「いいに決まってんじゃん! 食べよ食べよ」


木崎さんの笑顔は眩しいくらいに明るくて、私もつられて笑顔になる。

明るくて優しくて、本当に素敵な女の子で憧れる。私も木崎さんみたいに気さくに話せるようになりたいな。



「そうだ! あれから慎ちゃんとはどう?」

「へ?」

「うまくいってる?」

「あ、放送委員の仕事ならうまくいってるよ!」


なぜか木崎さんがお腹を抱えて笑い出す。


「そっちかぁ」

……ああ、おにぎりの具がこぼれちゃってる。

ポケットティッシュを取り出して、落ちた具を拾うと笑っていた木崎さんが今度は感動した様子で口元を覆っている。



「小宮ちゃんの半分は優しさでできてる!」

「へ?」

どういう意味だろう。よくわからないけれど、木崎さんは嬉しそうだった。


「えっと、これ捨てちゃうね」

「ありがとー!」

ティッシュをゴミ箱に捨てたあと、残っていたご飯を完食して一息つく。



「あれ、小宮ちゃん。お茶もうないじゃん」

お茶の入ったペットボトルはほとんど空だった。

なくてもそんなに困らないけれど、甘いものが恋しくなってきたかも。