もう、どうしよう。
今ぎゅって目つむったら流れる。
閉じちゃだめ、だめ。
ぐって目に力を入れて大きく開ける。


「……俺も、好き。」


えっ……。
伊澄くんの言葉を疑ってばっと顔を上げると。


「俺も、小笠原さんのこと好きです。」


顔を赤くして。
腕で口を隠す伊澄くんがいた。
……今、好きって。
耳まで赤くて。伊澄くん……。


目から涙がこぼれるのが分かる。
それと同時に身体の力が抜けて。
気を貼っていた全身の緊張が解けて。
耐えられなくなってしゃがみこむ。


どうしよう……。
伊澄くん、私の事好きって。
今、小笠原さんが好きって言った。
嘘じゃないよね。夢じゃないよね。


私達、両想い……なんだ。
奇跡、起きちゃった。


好き。止まらない。
今までで一番どきどきしてるよ。
なんばーわんだよ。


私たち、同じ気持ちなんだ。
涙、止まらない……。