朧月夜




俺の素顔を知っているのは、ここにいるヤツらだけだ。




「…おいしい?」




莉佳が向かい側の椅子に座り頬杖をついている。




「…あぁ。」





そして俺の気が緩められる場所はここだけ。




眠れる場所はここだけ。



龍神倉庫では一睡もしていない。