side ユカ
「いいよね。彼」
隣りの席で、優雅にお茶を飲む生徒会長。
片瀬 宏晃(カタセ ヒロアキ)先輩。
「彼?」
・・・私の前に用意された紅茶も、
優雅な香りがする……。
紅茶は
ティーバックかペットボトルしか
飲んだ事がなかったのに。
この先輩は、
何やら高級な絵柄が描かれた缶を開けて、
更に高級なカップで飲むんだ。
「ああ。
君のクラスメイトだよね?
あの銀髪の」
「恭弥くんですか……?」
「”ハナシ”をしておくか……」
「会長?」
「会長って、呼ぶなって言ったよね?
名前で呼べって」
ふっと
ため息をつくと、ゆっくりとこっちを向いた。
「あ、すみません。
でも、他の人は会長って……」
「会長!!」

