蒼夜は
熱いシャワーを浴びて
バスローブを纏うと
ガラスポットに湯を注ぎ、
琥珀色に踊る茶葉を眺めていた。


「良い香りのアッサムだな...」



恵衣は
会社で書類に目を通していた。


「工期がダブってんな。
おい、オヤジ。
何でもかんでも、受けんじゃねェ。」



花凛は
待ち合わせのS駅に着いた。


「・・・花凛ちゃん」


名前を呼ばれた方に振り返る。


・・・深いため息を気付かれないように
俯いたあと
ゆっくりと顔を上げ、
薄い微笑みを
その男に向けたーー