七色セツナ。1




蒼夜が
恵衣の財布を渡した。


「急な話で、祝儀袋がねェ。

ハダカで悪いが……

写真代だ」


恵衣が
財布から万札を、10枚ほど出した。


「え!?...いや、そんな」


「めでたい金だ。

引っ込めるなんて、
縁起でもねェ事はさせんなよ?」


「あ、ありがとうございます……」


テツヤとナナが
深々と頭を下げた。


パーティールームに、
再び花凛が入って来た。


「空いているグラスをお下げします」


そう言って、手を伸ばすと


「あ、すみません」


明らかに年上の厳つい男たちが、
トレーにグラスを集めだす。


「え?あ、あの?」


戸惑う花凛に、

”恵衣さんが自ら名前を名乗った女”

を前にした男たちが


「だ、大丈夫ですから!」


すっかり萎縮してしまっている。