「やっと、
コイツの親に
認めてもらえて……
一人前にしてやるから、
俺の所に来いって……」
「家が、小さいですけど、
板金屋をやっているんです。」
ナナが
嬉しそうにテツヤを見る。
「良かったじゃねーか。
式は、やるのか?」
恵衣が聞くと、
2人は照れたように赤くなった。
「いえ……
半人前が、一丁前に結婚式なんてって
言うもんで、
ナナと話し合って
写真だけ撮ることにしたんです」
「もったいないね?
ナナさんの、綺麗な花嫁姿を
たくさんの人に
見てもらいたいだろうに」
と、蒼夜が言うと
「いや……
俺ら、人前も苦手ですし……
ただ、恵衣さんに
一番に報告を、と」
「ああ。
めでたい話は、いつでも聞くぞ?
おい、蒼夜」
「はい」

