七色セツナ。1





「やっと、
コイツの親に
認めてもらえて……

一人前にしてやるから、
俺の所に来いって……」


「家が、小さいですけど、
板金屋をやっているんです。」


ナナが
嬉しそうにテツヤを見る。


「良かったじゃねーか。

式は、やるのか?」


恵衣が聞くと、
2人は照れたように赤くなった。


「いえ……

半人前が、一丁前に結婚式なんてって
言うもんで、
ナナと話し合って
写真だけ撮ることにしたんです」


「もったいないね?

ナナさんの、綺麗な花嫁姿を
たくさんの人に
見てもらいたいだろうに」


と、蒼夜が言うと


「いや……

俺ら、人前も苦手ですし……

ただ、恵衣さんに
一番に報告を、と」


「ああ。

めでたい話は、いつでも聞くぞ?

おい、蒼夜」


「はい」