七色セツナ。1





「・・・ユカちんの猛ダッシュで、
よく逃げられたね?」


恭弥が
哀れみと驚きの表情に変わった。


「ホントだったら
すぐに追いつかれる所だけど
途中で、向かい合わせになった
車が立ち往生してて、
そこをすり抜けたら
追いかけてきた人たちは
通れなかったみたいで。

それでまた走って...バスがちょうど来てたから
それに飛び乗って...もしかしたら
そのまま駅まで行ったら
待ち伏せしてるかもと思って
途中でバスを降りて、ここに来たの」


「ユカ!

よく頑張ったね!

そして冷静に判断できた……

いい子だね。

僕は、頭のいい子が大好きだよ?

ね、飲み終わったなら、
僕に顔を見せて?」


宏晃は、空になったカップを
ユカの手から取り上げると
それをテーブルに置き、
ユカを横抱きにして、
自分の膝の上に乗せた。