花凛が
フロアからVIPルームに向かっていると
突然、ドアが開いた。
「ユカ!」
そう叫びながら入って来たのは、
高級そうなスーツを
身にまとった宏晃だった。
「あ、会長……
なんでここに?」
「篠原さん!
ユカは?ユカは?」
「会長、ユカって
2度も言ってますよ?
ユカはVIPルームですけど」
「そうか……
いや、藤谷くんから電話をもらってね……」
「え?恭弥が?」
「悪いが……
ユヅルさんを呼んでくれ」
勢いよく開け放れた
扉の音に気付いたのか、
呼ぶまでもなく
ユヅルが厨房から出て来た。
「ヒロくん?」
「ユヅルに、ヒロ……?」
この二人って知り合い?
花凛が
二人の顔を交互に見つめる。

