「なつくん!」



「かおり!こっちこいよ!」



「わああああ~!」



公園の脇の小さなプレハブ小屋。
窓から覗く星空は綺麗で。
ふたりで手を伸ばしてぎゅっとつかんだ。



「ここ俺らの秘密基地な。」



「はい!秘密ですね。」



そうしてゆびきりげんまんをして。
私たちは約束した。


ママに怒られた時。
学校の小テストの点数が悪かった時。
友達と喧嘩した時。
逆上がりが上手に出来なかった時。
急に雨が降ってきた時。


私たちはここにきた。
ちょっと待っていると必ずどちらかやってきて。
帰りが遅いって怒られるまで一緒にいた。


それくらいずっと一緒にいた。
小学校の頃。


中学生になって、環境が変わって。
小学校のころに比べたら一緒にいる時間は減ったけれど。
それでも私と捺くんは一緒に過ごした。


ずっとずっと隣にいた。