「下の名前で呼んでるんだ」 そう言って、そっと私の頬に触れた手。 「……は」 下の名前?って…苗字一緒だし。 てゆーか、弟だし。 「聞きたくないなぁ」 その瞬間の、一条の顔が 「…い、一条?」 少しだけ悲しそうに見えて 私は、ずっと抵抗し続けていた手を 緩めてしまった。 それを見逃さなかった一条は 瞬時に私の後ろ髪に手を掻きいれて 「んっ!?」 重なった私の唇と一条の唇。