「待つとは言った。言ったけど……言ったんだけど……ううう……」


ああああ、ダメだあ…。


そんな時、うじうじ悩む僕の頭を、何かが直撃した。



パァン、という乾いた音。


衝撃はそこまでじゃないけど、おかげで窓枠におでこをぶつけて、むしろこっちの方が痛い。


顔を上げると、いつぞやのハリセンで手をパシパシ叩いて仁王立ちする哲がいた。


なんだろう、とてつもない邪気を放っている。



「ええっと……」


たらたら冷や汗を流す僕の頭に、第二撃が放たれる。


そこからは弁解の余地もなかった。



右、左、右、左、とパシパシパシパシ何度も往復するハリセンの的にされて、呻くしかなくて。


締めに一際パァンと軽快な音を脳天に食らってようやく終わりを迎えた。


どれだけ力がこもっていたのか、最後のはかなり痛かった……。