きっと、そういう性格なんだろう。
優しさからなんだろうけど、それが僕には残酷に思えた。
だって、それじゃあ伝えたいことが伝わらない。
現に僕もどれだけ落ち込んだか。
恋人はダメで、友達ならいい。
受け入れるのに、近付かせてくれない。
けど、拒絶もされないから不安になる。
あまりにも中途半端で、僕には彼女が分からない。
彼女は、不思議な人だ。
*
「……ここ?」
呆けたように辺りを見渡して、僕を見る。
予想通りの反応に吹き出しかけたけど、なんとか笑いを嚙み殺す。
駅から徒歩20分程度の場所にある、公園。
ここまで来ると、一気に街並みが変わる。
あらゆる店が立ち並ぶ駅前とは打って変わって、閑静な住宅街。
聞こえてくるのは、遊具で遊ぶ子供の声くらいだ。


