「…ココア~。」

隣の机で勉強してるはずの大原くんは私を呼んだ。

なんだろうと思ってその方を向くと
彼は、ちょいちょい、と手招きをした。

私が席を立って、彼の座っている椅子の近くへ行った。


すると彼は、ぽんぽんと彼の膝上あたりを
叩いた。

「?」

「…もう……早く来て。」


は?

座れってこと?

「む、むむ、無理だよっ」

恥ずかしいし
何でそんなことしないといけないの…

「…いいから。」

そういって、彼は、私の腕を強引に引っ張って
自分の太ももの上に座らせた。

「ちょっ、大原くっ…」

「…いいから。」

いいからいいからって
あなたは良くても私は嫌なんです!!!

馬鹿なんですか!?


そして、彼は、私のお腹あたりに手を回した。

「ねえ、下ろしてよっ、重いからっ」

私がそう言っても彼は、全く動こうとしない。

「ねっ、大原くんっ」

わたし、重たいよ?
太ってるからね?


「…全く重くないけど。」

えっ!?
ほんとに?

「…はい、ここにね、このやつ写して。」

そういって、彼は、私にペンを持たせた。

えっ、
なんで、

まあいっか。

そう思い、私は言われるとおりにした。



……てか、

「これ、答え移してるだけじゃん!!!」

なんで、私、あなたの宿題の手伝いしないといけないの!?

おかしいでしょ?

答え移すんだったら、自分でやりなよ!

私、関係ないじゃん?


「…めんどくさいし。」

は!?

なにそれ?


「知らないし~自分でやりなよっ」

そういって、私は彼の膝から降りた。

あ、降りれた。


意外と簡単に。


自分の席に戻った私は、彼の方を見ると
彼は、すこし、拗ねていた。


ふ、可愛い。

なんだかかわいい。