「そう?
この子かぁ…上玉だね」





ジロジロとあたしを舐めるように見てくるナス男。



何か…すごい嫌だ。この人…


あたしの第六感が警鐘を鳴らしてる。





「金田、帰ろ!」





そう、金田の腕を掴もうとするのを一声で止められる。





「そういうわけにはいかないなぁ〜?
男と男の勝負だし。逃げたら負け犬のレッテル貼られるよねぇ〜」

「そんな…!」





絶対帰れないじゃん!

そんなこと言われたら…



だってあたしのせいで金田が負け犬って蔑まれるの嫌だもん…





「まぁ、君が代わりに俺と勝負してくれるっていうならやめてあげてもいいけど」

「あたしと?」

「そう」





いくらなんでも女相手に本気は出さないだろうし…


あたしも少しは自信があったりするんだ。





「先にいかせたほうの勝ち」

「…わかった」

「は?!おい!あんた何言ってんのかわかってんのか?!」





あたしの返事を聞くと、金田は取り乱したように大声を出して勝負をやめさせようとする。



大丈夫。


きっと、女だからってナメられてるから隙は絶対にある。


そこを攻めれば。