「ずっと優愛に会いたかった。喋りたかった。笑い合いたかった」

「あたしも…あたしもそう思ってたよ」





また強くお互いを抱きしめ合う。


この家には2人きり。


いろんな部屋がある中で、2人して千景の部屋にいて。


広めの部屋の中でも、真ん中の方で2人くっついていて。



大きな世界にいても結局、あたしは千景ばかりを見ていて、千景もあたしばかりを見ているんだ。





「何か…どうにかなりそう」

「…えぇっ?!」





どうにか…って?!


やだやだ!せっかく目を覚ましてくれたのに…





「俺、優愛のこと足りなかったみたい」

「千景…?」





再度、背中に回される手が強くなる。


そのまま覆いかぶさるように、千景の顔が背中の方へ下がっていって…


まるで、腕だけじゃなく千景全体で抱きしめられているような、そんな感じ。



なんて幸せなんだ…





「補充、させて」





千景のちょっと掠れた低めの声が耳元で聞こえたと思ったら、熱を帯びた瞳があたしのことを見つめていて…その声を、その瞳を見た瞬間ドキッと心臓が脈打った。


多少の恥じらいはあるものの、ちゃんと気持ちは伝えないといけないって改めて思ったから。





「あたしも…補充、したい」





そんな勇気を振り絞って出した言葉を聞いた千景は目を丸く見開いたかと思うと、次に少し困った顔で笑った。





「やばいな。優愛から言われると何かこう…心臓もちそうにない」





やっぱり今のなし!


そう言おうとした口をふさがれる。


甘くて、


幸せで、


胸がいっぱいになった。