春陽「なら良いんだけど、
これ届けに行ったら保健室行きだからね。
歩けなくなったら言って。」

『それってどういう……』









oh......

自分の足を見ると、転けた時に出来たであろう擦り傷が見られた。
……血でてる。

春陽くんに夢中で気づかなかった…。
う……なんか気づいたら足痛くなってきたし……、


ガラッ

春陽「図書室の先生に頼まれて本を届けに来ました。」

上からそんな声が聞こえ気付けば職員室に着いていた。












『あ、ありがとうっ高野くん。』

シーンとする廊下に私の声だけが響く。



……なんか、夢みたい。
隣にいるだけで嬉しくて。
甘くて切なくて……。


ずっと遠くから見てたからこそ、特別なんだなぁって分かる。
彼氏だなんて、正直夢すぎて考えられないや。



春陽「ぶつかったから、そのお詫び。」


絶対あれは私が悪かったのに。
優しいなぁ……。


春陽「ちょっとごめんね。」


『へ…



?!』

直後、視界が反転して、天井が近くなった。


え、
まってこれって







おおおお姫様抱っこ?!?

え、ちょっとまってほんとに、少女漫画でよく見るあれだよね?現実世界ではあるわけない夢のシチュエーションだよね?!




『春陽くん…?』


春陽「保健室行くまでの辛抱だから、我慢して。」


私は恥ずかしすぎて春陽くんの胸に顔を埋める。


私顔真っ赤だよ…

春陽くんはなんてことないように、でも傷口が痛まないようにかゆっくりと歩いてくれた。