そういった美亜の言葉が信じられなくて…



俺は、無意識のうちに美亜を抱きしめていた。



「幸ちゃん……?」



美亜のとぼけた声。


もう聞き慣れたその呼び方も…



今となっては懐かしい。



美亜が居なくなって気がついた…。



俺は…美亜がいないとダメだ。


そばにいてほしい。


じゃないと…調子狂う。



なぁ美亜…?


俺、お前の事……。



「好きだ……。」


「幸ちゃん……?」



秋も過ぎて…冬に近づいた風が窓から少し入って


俺たちの体の熱を奪ってゆく…



だけど温かいのは…


さっき飲んだコーヒーでもココアでもなくて…。



美亜がそばにいるからだ…。