「これ?」 俺がそういってビンを持ち上げると 「うんっ!!」 そういって笑顔になった。 でもなんだか…その顔が。 少し前の記憶を失う前の美亜に似ている気がして… 胸のおくがチクリと痛んだ。 「まだ記憶、戻らないんだ?」 「うん…。思い出したいんだけど…。」 飴を美亜の小さい手に一つ握らせて話す。 「あのね?」 「ん?」 「美亜…、幸平くんの事。好きだったんだよね?」