「なあ、先輩。」

「な、なによ…?」

「俺、先輩に呼び捨てにされる筋合い無いんだけど?」

「ッッ!!」



それに、俺はこの先輩を見たのが初めてだった。


何も知らない俺のことを、まるで知っているかのように話す先輩の姿が、不思議で仕方が無かった。



よっぽど悔しかったのか、先輩は少し涙目になりながら俺をキッと睨んだ。