「きゃあッッ!ちょっと何すんのよ!!」 「それはこっちの台詞だよ!美亜を傷つけてんじゃねーよ。」 「なによ!!幸平のバカ!」 頭から水をかぶった先輩の化粧は段々と水に溶けていく。 短いまつげに必死でつけたであろうマスカラは、見事に悲惨な事になっている。 黒く浮き出たマスカラは、涙のように黒い線を作って先輩の頬をつたった。 そんな残念な先輩に笑顔で俺は振り向くと言った。