私は人見知りで、杏里以外に友達と呼べるほど仲がいい子はいない。 その反面、杏里は誰にでも変わらず接するので、友達が多かった。 「杏里ー!」 杏里を呼ぶ声が聞こえて抱きついていた体を離す。 杏里も声がした方に顔を向けて、その子と話し始めた。 そんな様子を、私は黙って見つめる。 ……ほんとは、その輪に入りたいってなんども思ってたり。