「香山さん、ようやく起きましたね。」


京に来て以来、僕が寝泊まりしている宿、
“上野屋”の若女将、

お静ちゃんが僕を起こしに来たようです。


「朝ご飯出来てますよ。」


「うーーん。飲み過ぎて頭痛い。
朝飯は要らない。」



「香山さん、
昨夜は相当酔いが回ってましたね。

そう言うと思って今朝はしじみ汁を作ったんですよ。

2日酔いにはしじみがよく効きます。」



「そんな事まで気を遣ってくれたのか・・。

悪いねお静ちゃん。
分かった、すぐ下に降りるよ。」