『貴女がこちらへ無事に帰ることが良かった。』
青年は確かにそう言った。
顔を上げた青年の瞳は、戸惑いもありながらどこか優しいそれで。
私は目を見開いて驚いてしまった。
見ず知らずの人の筈なのに、その心配が凄く嬉しくて。
「…あの、貴方は誰、なんですか?…味方なんですよね?」
「ええ。名乗るのが遅くなりすみません。私はレオンハルト。貴女の幼馴染です。スノウフィリア。いえ…ユキ。」
「……幼馴染……。」
私には物心ついた記憶や7歳までの記憶が元々無かった。
親だって、いなくて。
7歳から入った施設の中では化け物扱いが当たり前。
それから、7年たった。
その7年で私は誰かに気安く話すことも、誰かに簡単に頼ることも出来なくなった。
「………レオンハルトさん…。今は貴女を信じてもいいですか?」
「ええ。勿論。けれど今、だけではなくこれから信じてもらえると嬉しいですね。」
「…これから…。」
「ええ」と、呟いた彼の声は寂しさを含んだ声音だった。
わざとらしい訳ではない。
ただ、私が人の感情に鋭くなってしまっただけ。
だから、だからこそ怖い。
「…それは少しだけ待つ…ってできますか…?」
「ええ。ただ、これだけは覚えていてください。私はどんな時だって貴女の事を守ります。」
「……どうして、なんですか…?」
私がそう言うと青年は、何故かその綺麗な目をぱちくりさせた。
イケメンは何してもイケメンらしい。
「どうして、ですか…。」
やがて思案顔になってしまい、私は慌ててやっぱり大丈夫だと言った。
その言葉を聞いた彼が眉を下げているのが見えて、思ったよりも思い詰めさせてしまったらしい。
「その…私の見た目って気持ち悪いでしょう?…だから何でかなって…。」
自分で言うと心に刺さる心無い言葉が思い出され、気持ちが沈んでいく。
つい俯いてしまい、彼の顔を見れなくなってしまった。
「は?気持ち悪い…?どこが?」
へ?
