「つーか‥‥こんな階段降りてきたっけか?」

「私もそれは感じたわ。いくら目隠しをされてたからって、階段の多さの違いには気づくわ。」

「ふっ、さすが。逃げられねーよーに小細工してるだけのことはあるな。クリミナル。お前になら簡単なんだろ。」

「まぁ、この小細工はどこの刑務所でも使われてるし、ちょっと残念だわ。一番逃げにくい収容所ってちょっとワクワクしてたのに‥‥」

「ワクワクするところがちげー‥‥」

ハウラはシュトラーフェを連れてどんどん出口へと向かっていく。通風口を通ったり、非常階段を通ったり、武器を持っていないので、警官と鉢合わせするわけにはいかなかった。

「シュトラーフェ。出口よ。」

ハウラは通風口の奥に光が差し込んでいるのが見えた。いくら鉢合わせしないようにと言っても、この体制には限界があった。

「‥‥!まて!」

「え‥‥っ」