サザレという男はその言葉を最後に店を後にした。シズクという少女はまだ二階にいるというのに、スタスタと出て行ったのだ。

「なんだったんだ…アイツ…」

「サザレ・リュベーク…」

「ハウラ知ってんのか?」

「ほぉー。さすがクリミナル家の嬢ちゃんだね」

カデナはハウラに「アイツ一体なにもんなんだよ…」と迫る。だが、ハウラに「ごめんその話は言えない」と言われてしまい、それが気に食わなかったのか

「ア?俺に言えねーよーなことなのかよ?」

カデナは殺人鬼と呼ばれている男だ。短気ですぐに喧嘩口調になるのは癖であった。

「そーいうわけじゃないわよ…‼︎」

「はぁ!?ならどーいうわけだ!説明しろよ!」

「おいバカ!そんな大声出すと…!」

グラヴがカデナを止めようとするが、すでに時は遅し、

「ローシさん…?これはどういうことかしら…?なぜ殺人鬼達がここにいるの?」

にっこりとした笑顔のシズクが階段から下りてきて、ローシに聞いた。

「あはは…なんでだろうね?」

「あなた、変だとは思っていたけどまさか…」

ローシは気づかれたかな…と少し焦りながらも、暴れそうなカデナを押さえ込むよう2人にジェスチャーを送る。

「…私より先にこの3人を捕まえていたの?」

「「「は?」」」

犯罪者3人は同じタイミングで呆れた声を出すとともに、思ったことがあった。

(コイツ…本当に警察か…?)

と。