中に入ると、外観からは感じられないほど広く、学校の教室くらいは余裕であるような広さだった。可愛らしい雑貨屋さんみたいな雰囲気で、奥には2階へつながる階段がある。
だが、雑貨屋さんと言うには呼びずらい商品も沢山あった。

「やっぱ、物騒じゃね‥‥?」

ここへ久しぶりに訪れたカデナがそう言う。

「仕方ないだろう。ここは犯罪者の店なんだから。」

「は、犯罪者の店!?それって、すぐに捕まってしまうんじゃ‥‥」

「あー、ハウラは知らないのか。」

「実はローシは‥‥」

グラヴがそう口を開こうとすると、カチャリと音がした。グラヴがいきなりシッと唇に指を当て、「こっち」とカデナとハウラを店の奥へと誘導する。
そこはなんというか犯罪者。スっと隠れることが出来た。

「なにかな?シズクちゃんにサザレくん。あと、ノックくらいしてよねーっ」

入ってきたのは警察官の格好をした男女の2人組だった。男の方はともかく、女は明らかに少女といった風格だった。

「あなたがこんな所で働いてるから悪いのよ!毎回毎回報告書を取りに来るのが面倒でしかたない」

「報告書出さないシズクさんに言われたくないと思うなー。オレは」

「うっ、うるさいわねっ!とにかく、早く出しなさい!」

「はいはーいっと、2階に置いてあるからこっちまで来てくれるー?」

そう言って、階段を登って2階へ行くローシを追いかけて、シズクという少女が登っていく。
3人にとっては一安心かと思われたが、急にサザレと言う男が妙な言葉を言い始めた。

「甘いですね。ローシさんも、シズクさんも。まぁ、オレは知り合いがいるんで見なかった振りしときますけどー…」