「お前のそーゆーとこ。いいんじゃねーの」

決して正直に褒めることはなく、シュトラーフェはハウラの行った道を同じように登ってくる。一回転などはしないが、ハウラに劣らず、同じスピードで登る。

「ここからなら、壁に移れると思うわ。」

「ちょっとまて。下。」

シュトラーフェが言う下を見ると、警官がこちらに向かってきているのが見えた。

「やっぱりこんな所にいるのかぁ?どーせ、障壁なんて超えらんねーんだろ?いつも通り疲れ果ててたとこ、捕まえればよくねーか?」

「今回は管理官が違うからだとよ。」

「あー、知ってるぜ。あのガキだろ?あいつムカつくし、格が上じゃなきゃ殴ってるっつーの。」

「おいおい、悪口はそこまでにしてくれ。」

「「‥‥!?」」

その2人の間に割り入ったのは、紛れもなく、あの警察官を殴った時声をかけてくれた人の声だった。