自転車で1分もかからない距離にある、あいつの家の前。

二階の角の部屋を見上げ、

「おーいっ!なにやってんだー?遅刻すんぞー」

と、大声で叫ぶ。


しばらくして玄関のドアが開くと、

「美佐子ならもう行ったけど」

出てきたのはあいつの母親だった。