その夜私は、二人のことを思い出していた。
最初は練習でもふざけたりしてたけど、大きい声で歌えるから合唱の声量に大きく貢献してた。笑い声が大きくて楽しそうだった。


明日の教室は静かすぎるだろうな。
卒業の日も大きく泣いて大きく笑ってくれると思っていた。


他の人は往かせないから。最初で最後の犠牲にしてみせる。
二人のことも助けたかったけど……。


二人を助ける方法は思い付かなかった。あのとき私たちは知らなさすぎた。あんなことになるとは知らず……悔しいけど、防ぎようがなかった。


今度は知っているから防げる。
布団をぎゅっと握りしめる。体育祭や合唱コンクールの時の団結力と規律正しい行動で生き延びる。


明日からの犠牲者はゼロ。賞よりもすごいことを成し遂げるため、私は眠る。