「二人を片付ける人は手を挙げてください」


私は迷うことなく手を挙げた。その後家頼さんが手を挙げた。


「それじゃ、岩手と家頼にやってもらいます。他の女子は掃除してください」


先生は御浜さんの腰あたりを持ち上げた。私たちは自然と足に集まる。
移動し、先生が窓を開けた。


「手離して」


まさか……恐る恐る手を離すと、先生は窓から落とした。
同じように小川さんを窓から落とし、私たちの仕事は終わった。


家頼さんは真っ青な顔でその場にしゃがみこんでいた。


「家頼さん」


「岩手さん……私、死体棄てるの手伝ってしまいました。私一生恨まれ続けますね」


家頼さんは両手を広げ、自嘲気味に笑った。
おかしくなったんだ。家頼 輝前(からい きさき)さんは、大人しい性格で、人がいやがることを率先してやる。


「私も同じだよ……」


「私はあんなことしたんだ。血を拭くぐらいどうってことない……」


自分の席から雑巾を取り、血だまりにつかつかと歩み寄る。雑巾に血を吸わせながら、落ちた肉も拾っていた。