「はい、書けましたか?書けた人は提出してください」
書けたから担任の原先生に提出する。原先生は明るい先生で、この学校に来て六年になるらしい。また卒業生を送り出すことが出来てよかったと、髭を触りながら言っていた。
まだ書けてない人もいて、その人は焦り出していた。書くのが難しい人もいるんだね。
先生は待っている間プリントを読んでいる。
最後の一人が書き終えると、ちらっと読んでから手を叩いた。
「はい、それじゃ今からゲームを始めます。参加するのは女子だけねー」
女子だけ?あとで男子もやるのかな?そうじゃなかったら不公平じゃないの。
「御浜さん、小川さん、立ってください」
御浜さんと小川さんは授業中もよくしゃべる子だ。だからしゃべっていたところをこうやって当てられることが多い。
「なんすかー?」
「えっなに、頭にのせられた!うけるー!」
先生は御浜さんと小川さんの頭に黒い物体をのせた。二人はそれを落としそうにしながら、ゲラゲラ笑う。
「はい、それではいきますよー。三、二、一」
爆発音で、零は聞こえなかった。口はそう動かしていた。
鼻につく火薬の臭い。つんざく悲鳴。
先生、今何したの?
二人を見ると原型を留めていなかった。血肉を撒き散らし、その無惨な姿を目に焼き付けた。
小川さんの前の席の子が吐いた。
私もヤバい。落ち着いて、深呼吸……。
息を吸うと、血と火薬の臭いが入り込み、のどを刺激した。
ダメだ。吸わない方がいい。
机に体を伏せ、何度も脳内で落ち着いてと唱える。
ここでしっかりしなくちゃ。
「校則違反等、規律を乱す行動をした女子は死にます。卒業の日まで頑張ってください」
先生は光のない目で笑っていた。
小川さんと御浜さんは制服を着崩していた。それでこんなことになるなんておかしい。
今まで指導してきた生徒を簡単に殺せるのもおかしい。なんでこんなことするの……?
今日まで一緒に歩んできて、信じた先生に裏切られた。同じ場所を目指し進んできた仲間を殺された。
絶望に沈みかけた心を合唱コンクールで培った責任感で持ち上げる。
私が何とかしなければいけない!このまま黙ってたら、命が奪われていく!
書けたから担任の原先生に提出する。原先生は明るい先生で、この学校に来て六年になるらしい。また卒業生を送り出すことが出来てよかったと、髭を触りながら言っていた。
まだ書けてない人もいて、その人は焦り出していた。書くのが難しい人もいるんだね。
先生は待っている間プリントを読んでいる。
最後の一人が書き終えると、ちらっと読んでから手を叩いた。
「はい、それじゃ今からゲームを始めます。参加するのは女子だけねー」
女子だけ?あとで男子もやるのかな?そうじゃなかったら不公平じゃないの。
「御浜さん、小川さん、立ってください」
御浜さんと小川さんは授業中もよくしゃべる子だ。だからしゃべっていたところをこうやって当てられることが多い。
「なんすかー?」
「えっなに、頭にのせられた!うけるー!」
先生は御浜さんと小川さんの頭に黒い物体をのせた。二人はそれを落としそうにしながら、ゲラゲラ笑う。
「はい、それではいきますよー。三、二、一」
爆発音で、零は聞こえなかった。口はそう動かしていた。
鼻につく火薬の臭い。つんざく悲鳴。
先生、今何したの?
二人を見ると原型を留めていなかった。血肉を撒き散らし、その無惨な姿を目に焼き付けた。
小川さんの前の席の子が吐いた。
私もヤバい。落ち着いて、深呼吸……。
息を吸うと、血と火薬の臭いが入り込み、のどを刺激した。
ダメだ。吸わない方がいい。
机に体を伏せ、何度も脳内で落ち着いてと唱える。
ここでしっかりしなくちゃ。
「校則違反等、規律を乱す行動をした女子は死にます。卒業の日まで頑張ってください」
先生は光のない目で笑っていた。
小川さんと御浜さんは制服を着崩していた。それでこんなことになるなんておかしい。
今まで指導してきた生徒を簡単に殺せるのもおかしい。なんでこんなことするの……?
今日まで一緒に歩んできて、信じた先生に裏切られた。同じ場所を目指し進んできた仲間を殺された。
絶望に沈みかけた心を合唱コンクールで培った責任感で持ち上げる。
私が何とかしなければいけない!このまま黙ってたら、命が奪われていく!


