食べ終えたあと、いちごタルトとりんごジュースの代金を計算する。
財布を見るとちょうどあった。机の上に硬貨を置く。


千代田は仙道に両替してもらっていた。
仙道が回収し、レジで支払う。


二人と別れ、手を振る。
今日は帰ってきたらガチャを引く約束をしていた。百円玉は一枚か。よし、一回だけ引いて後は遊ぼう。


家のドアを開けると、お母さんが泣きながら迎えてくれる。


「おかえり……!」


「ただいま」


俺は部屋に直行しようとしたけど、気を使ってか何も聞いてこない。それが一番いい。


適当な服に着替え、デッキケースを入れる。


「ちょっと宗路と遊んでくるー」


こんな日に遊びに出かけるとは思いもせず、言葉を失ったお母さんをおいて家を出ていった。