前駆たちの望み

仙道はどこだ!?外を探していたから遅れそうだ。
仙道のことを思い出しながら、ちらっと窓を見ると、仙道がすぐ向こうにいた。


そばの窓に向かってきたから窓を開けた。仙道は勢いよく乗り越え、校舎内に入った。


先生は後ろを千代田、前は俺と仙道に塞がれる。


「女性に暴力をふるいたくないんでね。危険物を落としてくれたら何もしませんよ」


千代田が不敵に笑って言った。
先生は爆弾とナイフを床に落とした。しかし、肝心のスイッチはない。


「爆弾はこれだけでは爆発しませんよね?スイッチも捨ててください。爆弾はスイッチとセットで危険物です」


さすがに躊躇していた。千代田が一歩進めると、先生はため息をつき、ジャケットの内ポケットをまさぐる。


そこで……。


「お前ら授業中だろう!何をしている!」


階段を駆け降りる音と野太い声がする。
先生は壁を背にして千代田を手でさし示した。


「ダメだ……おい、逃げるぞ!」


千代田が俺たちに呼び掛けた。床にある危険物を拾い上げ、逃走する。
仙道は逃げ出す直前、憎悪がこもった目で睨んだ。


千代田の後を追い、竹刀を持った先生から逃げる。
流石体育の先生。イキリオタクが先頭の集団は追い詰められていく。


仙道は第一、能取は第三に逃げろ!


千代田の指示を聞いて、仙道は左に進んでいく。俺は右に直角に曲がり、古びたクローゼットの中に入った。
千代田はテニスコートに並ぶ部室の中に入る。作戦通りなら仙道は、フェンスに空いた穴から逃げているはずだ。


「そんなところにこもって逃げ切ったつもりか?」


先生は黄ばんだ歯を剥き出しにして笑い、持っていた鍵で部室を開けた。


「いないぃ!?」


口を開けたまま停止した。
辺りを見回しているけど見つかるわけがない。


部室内には秘密の通路があり、来たばかりの先生は知らない。秘密の通路は荒れていた時代に空けられた穴で、かがんでくぐれば隣の部屋に入れる。その穴は打ち付けられているはずのロッカーで隠されている。


ある先輩がロッカーを動かそうとして、ネジを外した。
すると穴が見つかり、ロッカーはそのままにして秘密の通路として活用したらしい。
その後秘密の通路はいくつか作られた。


そういえば、他の先生は四年以上いる中で、この先生だけ今年来たばかりだ。
脳筋な上この学校のことを全く知らないから、三人を見つけることはできない。