「災難だったな」


授業が終わった後、千代田が肩を揺らして笑いながらやって来た。


「まあ自分でやったことだからな。これで霧生が無事ならいいんだ」


「……そういえば、あの靴下はお前のだな」


仙道が気付いた。


「霧生の靴下が派手だったから、ヤバイなと思って変えたんだ」


「そういうことか。早速やってくれたじゃないか!」


千代田が俺の肩をバシバシ叩いた。


「この調子だよ。次は俺がやるんだ……」


神威なら目力でなんとかできそうだな。
爆弾を取り出した高橋も手を引っ込める……のはないか。


次は体育か。もう体育はないと思ってたのにな。
受験勉強のせいで全く体を動かしていなかった。体が鈍ってるだろうな。
筋肉痛にならない程度に頑張るか。


「もうそろそろ行こう」


仙道が親指でドアをさす。
今日の犠牲者ゼロを維持するぞ。