前駆たちの望み

「おはようございます。皆さん席に座っていますね」


高橋に何かを返すこともなく、じっと固まっていた。いつもなら全員が席につくなんてことはなく、ざわざわと席に戻っているところだ。


学校に来ている人は席についていても、三分の一が空いている。そりゃ休みたくなるよな。


「今日の予定はマナー講座と体育です」


高橋は淡々と説明する。
今日も卒業式の練習はないのか。明日突然卒業式と言われても、配置とか忘れてそうだ。


「先生、卒業式の練習はしないんですか?」


千代田が質問すると先生は、練習はしませんが式は通常通りありますと答えた。
流石にこれはざわついた。


「前日の練習をせず、満足がいく式にできると思いますか?このゲームは練習を犠牲にしてまでするものではないと思います」


千代田、俺には警察に通報するなとか言って、自分はもっと突っ込んでいくじゃん!
先生の怒りに触れないかひやひやする。


「いいえ、これは大事なことです。世界に関わることなんです。何年かすれば意味がわかるでしょう」


世界に関わる?若者を殺すのは世界に悪影響を及ぼすだろ。何年か経てばこんなことが許されると本気で思ってるのか。


「朝の会を終わります」


納得いかないまま朝の会を終了させられる。
何の迷いもなく言い切った高橋が怖かった。完全にどうかしている。