前駆たちの望み

「おはよー」


「おお、能取か。今作戦を立てているんだ。見てくれよ」


机をさえぎるように立っていた千代田が右にずれる。


「女子が怒られそうになったら俺らがやったことにするのか?」


「そうだ。同じことをしても俺たちは何もされないからな」


なるほど。怪しまれないような演技力も必要だな。


「適用されるのは自分のクラスの子だけじゃないよ。クラス、学年、関係なく助けよう」


「仙道、他の学年の子は大丈夫だ。昨日警察に通報したら、この学年だけだって」


「おい能取!通報したのか……」


あっ。やっちまった。そういえばグルの可能性があるからやめろと言われてたな……。
千代田の声で思い出した。


せっかくだから昨日聞いたことを全て話そうとしたとこでチャイムがなった。


「能取、この紙持ってて」


仙道が紙を差し出した。


「お前が持っていた方が安全じゃないか?」


千代田が机に手をついてそう言った。


「能取は校則違反であるカードを何度も持ってきて、隠しきった。先生に見つかりたくない物を渡すのに最適な人物だ」


確かに俺は、修学旅行のときもタオルに包んで漫画を持ってきたりした。


「わかった」


「それの内容、しっかり見といてね」


席につくと紙をファイルの中に入れた。