前駆たちの望み

煙が晴れると、ぐちゃぐちゃになった二人が見えた。


嘘だろ!?こんな夢……早く覚めろ!
机を叩いたけど覚めない。このにおい、光景は、夢じゃない。
今まで生きてきた中で、一番残酷な光景だ。


どういうことだ!何でこんな悪趣味なゲームに女子だけ参加させるんだ!
俺たちはどうすればいいんだ!


「女子の中で二人を運ぶ人」


誰も手を上げない。当たり前だ。こういうのに耐性があると公言していた男子ならまだしも、普通の女子にやらせる先生の神経を疑う。


「すみません、僕がやるのは駄目ですか?」


「駄目です。もし男子に押し付けた場合、あなた方がこうなります」


女子が嫌々挙げる。
そして、真地野の唯一の友達と、朱星の友達三人にやらせた。最低の人選だ。


五人が二人を引きずり、ドアまで赤い線が引かれる。


「残った女子は教室の掃除をしてください」


高橋はぴしゃりとドアを閉めた。


「嫌だよ!何でこんなこと……!」


「見たくない!朱星さんとも真地野さんとも仲良くないし……」


やりたくないのはわかる。仲良くない、は言う必要がなかっただろ。一層気分が悪くなる。


「ほら君たち、さっさとやろうじゃないか。早くしないと先生が来て、僕が手伝ったってのもばれてしまうだろうが」


千代田 上利(ちよだ あがり)。俺らの頼れるイキリオタクだ。
残酷な光景にも耐性があると言っているけど、流石に動揺している。目が落ち着いてない。


仙道 神威(せんどう かむい)は何も言わず、さっと雑巾を取っていく。
仙道は無口で、俺たち三人の中では一番まとも。クールな性格と顔でちょっとモテてる。


俺もやるぞ。他の女子は嫌がってなかなか進まないだろうからな。
それに俺は真地野とよく話していたから、そのままにしてやりたくない。