目を開けると私は病院のベッドにいた。


「春菜……!」


お母さんはメイクをどろどろに溶かしていた。


「お母さん、卒業式は……?」


「中止!とんでもないことになってて……」


詳しく話を聞こう。私が起き上がろうとするとお母さんに止められた。


「頭にぶつけられたんだから安静にしないと!」


そうか。私は額に手を当てた。
卒業式のはずだったのに、こんな風にベッドにいるなんて退屈だし、空しい。


「お母さん、学校で何があったの?」


想像はつくけど聞きたい。本当に安全になったのか確認したいし。


学校では、あの中の男子の一人が問い詰められたらしい。すると、先生が慌てた様子ではぐらかそうとするので余計に怪しいと思ったらしい。


そしてお母さんの剣幕に耐えきれず、男子は話し始めた。爆発で人が死んだことを。


気に障った女子は死んだ。
最初はその事実を信じられず、沈黙したらしい。けど吹っ切れた生徒が先生から爆弾のスイッチを奪い、誰もいないところに爆弾を投げて爆発させた。


殺したかはわからなくても、こんな物を持たせることがおかしい。
すぐに警察を呼び、校内を捜査してもらった。


すると、あるところから異臭がし、掘り出してみると死体があった。
全員女子だった。
日山先生たちも行方不明で、警察はまだ捜査を続けているらしい。


悪夢が終わった。私、少しは役に立てたかな?


「春菜が起きたって言いにいくわ」


お母さんが病室から出ていく。
そうだ、あの子は今どうしてるんだろう?