「愛実ちゃんも反省していると思います。愛実ちゃんが反抗した原因は、普段の私の言動もあるんです。だから……」


「そう。なら責任を取ってもらいましょう」


先生が銃を取り出した。こんな死に方になるなんてね。
ごめん、お母さん。私、何も出来てない。恩返しも、夢も……。
お父さん、十五で来てしまって、ごめんなさい……。


目を閉じて、世界を終わらせる準備をした。
けど、意識が消える代わりに冷たくて硬いものの感触が……。


「これは……!?」


「これで二人を撃ちなさい。あなたが二人を変えてしまったんでしょう?」


なんで私が……。黒光りする銃は、音からしておもちゃとは思えないような説得力があって、心はざわざわと反発する。
責任を取るとは言ったけど、二人を助けるためで……!


「愛実ちゃん、私、疲れたよ……」


「春菜ちゃん、生きて」


力無く閉じて涙を流す可矢ちゃんの目と、真っすぐ向けられる愛実ちゃんの縋るような目。
私だけ生き残っても意味がない。
それに、私より二人が生き残った方がいい。


「出来ません……私は、出来ません……。無理なんです、撃てません……二人を殺せません……!」


否定の言葉を連ねる。力が入らなくて手から銃が落ちた。


「仕方ない」


先生は落とした銃を拾った。


そして二発撃った。