女子側から歓声が上がった。
男子を一人当てたらしい。当てた川良(かわら)さんと、投げるタイミングを指示した奈可ちゃんがハイタッチする。


「やった、反撃だ」


「ああ……」


希望が見えた気がした私と、瞳から光が消えた茜ちゃん。


当てるのがダメなんだ。川良さんは確実、奈可ちゃんも……。


試合が終わり、先生が人数を数える。


「男子チームの勝ち~!」


不安を感じながらも拍手する。


「奮闘した川良さんも、授業の最後に表彰しますね」


表彰……。
川良さんは意味を知らないから素直に喜んでいた。


「かわらんおめー!」


「ありがと!」


次は愛実ちゃんたちの試合だ。愛実ちゃんたちは当てないと思うけど、嫌な予感がする。


何この、体験したことがないレベルの悪寒は……。