「はい、皆さん遅刻はなし。よくできましたー」


いつもはうぇーいと騒ぐ男子も流石に黙る。


「今日はドッジボールをしてもらいます。チームは男女で分けます。試合の順番はホワイトボードを見てください」


最初の試合は二組男子と三組女子。次の試合は三組男子と二組女子。
なんで女子と男子で試合をさせるの?力の差もあるし、不公平だ。


まあ勝ちにこだわらないんだけど。


男子でも関係ない!女子の力を見せてやれ!えいえいおー!


ふと、花田さんの声が再生された。生きていたらきっとこんなことをいうだろうと……。
かなりしっくりきて私は目に涙をためた。ダメだ。


見えないように後ろを向き、袖に涙を吸わせる。


少し頑張ってみよう。
このドッジボールで。私は一歩前に出る。当たったならそれまで。どうせ最後には当たるんだし、やれるだけやってみる。