冬の冷たい風が髪を吹き上げる。
スカートは長いからもういいや!それより首に当たる方が辛い!
スカートを太ももで軽く挟み、髪を押さえた。


体育のときの集合場所である体育館横でチャイムを待つ。
制服のままの生徒が集まってきた。


「春菜ちゃん!」


二人が笑顔で手を振ってきた。


「今日は皆、何もされなかったんだ」


愛実ちゃんが笑顔で報告した。よかった。
こっちは二人。本当はみんな無事って言いたかったけど……でも私は生き残れた。それだけでも恵まれているとつくづく思う。


体育はクラス合同みたいでよかった。二人もいるならきっと生き延びれそうな気がする。


チャイムが鳴り、皆の表情が固くなる。


地獄の時間の始まりだ。