「春菜、起きてー」
布団を揺さぶられ、私はゆっくり目を開けた。
上半身を起こすと、パジャマや布団の隙間から冷たい空気が入ってくる。
目をこすり、欠伸をした後床に足を下ろす。
あれは夢だったのかもしれない。期待しながら私はデジタル時計の表示を見た。
三月二十日。夢じゃない。一気に憂鬱な気分になった。
階段を降りると二つ下の弟が先に食べていた。眠そうに頭を揺らしている。
席についてプチトマトを一つ口に入れる。
「あのさ、始(はじめ)のクラスで昨日何かあった?」
「ん?昨日……普通だった。ていうか春ちゃんのところこそ何してたんだよ。爆発音みたいなの聞こえたぞ。もうすぐ卒業だからって爆音クラッカー鳴らすのやめろよー」
爆音クラッカーとは、家の中で鳴らしても近所迷惑と言われそうな音量のクラッカーだ。とあるユーチューバーが紹介したことで最近流行っている。
爆音クラッカーならよかったのに。
深見たちは卒業式の日に全員に渡し、日山先生が入ってきたら一斉に鳴らすという計画を立てた。
しかし、思いの外高価で計画は倒れた。
爆音クラッカーを一斉に鳴らしたら鼓膜が破れかねないので、計画が倒れてよかった。
「そういえば今日休みだった!くそっ……二度寝してやる……」
「今日休み!?」
「うっ……うん。何でかはしらないけど」
「始、今日休み?言ってくれたら起こさなかったのにー」
お皿を拭きながらお母さんが台所から出てきた。
下級生は急に休み……。こんなスケジュールおかしい!
ここまでする目的は何!?教えてよ!
こんなことをする先生に掴みかかりたくなった。
「春菜は今日お昼までだよね?お昼ご飯ここに置いておくからね。始もー」
ごめんお母さん。帰ってこれないかもしれない。
布団を揺さぶられ、私はゆっくり目を開けた。
上半身を起こすと、パジャマや布団の隙間から冷たい空気が入ってくる。
目をこすり、欠伸をした後床に足を下ろす。
あれは夢だったのかもしれない。期待しながら私はデジタル時計の表示を見た。
三月二十日。夢じゃない。一気に憂鬱な気分になった。
階段を降りると二つ下の弟が先に食べていた。眠そうに頭を揺らしている。
席についてプチトマトを一つ口に入れる。
「あのさ、始(はじめ)のクラスで昨日何かあった?」
「ん?昨日……普通だった。ていうか春ちゃんのところこそ何してたんだよ。爆発音みたいなの聞こえたぞ。もうすぐ卒業だからって爆音クラッカー鳴らすのやめろよー」
爆音クラッカーとは、家の中で鳴らしても近所迷惑と言われそうな音量のクラッカーだ。とあるユーチューバーが紹介したことで最近流行っている。
爆音クラッカーならよかったのに。
深見たちは卒業式の日に全員に渡し、日山先生が入ってきたら一斉に鳴らすという計画を立てた。
しかし、思いの外高価で計画は倒れた。
爆音クラッカーを一斉に鳴らしたら鼓膜が破れかねないので、計画が倒れてよかった。
「そういえば今日休みだった!くそっ……二度寝してやる……」
「今日休み!?」
「うっ……うん。何でかはしらないけど」
「始、今日休み?言ってくれたら起こさなかったのにー」
お皿を拭きながらお母さんが台所から出てきた。
下級生は急に休み……。こんなスケジュールおかしい!
ここまでする目的は何!?教えてよ!
こんなことをする先生に掴みかかりたくなった。
「春菜は今日お昼までだよね?お昼ご飯ここに置いておくからね。始もー」
ごめんお母さん。帰ってこれないかもしれない。


