前駆たちの望み

昼になると起こされ、オムライスの匂いがする居間に連れて行かれる。寝ぼけながら手を合わせ、口に運んだ。


「今日卒業式が行われるはずの中学校で、信じられない事件が……」


その言葉を聞いた途端、眠気は消えうせ、体が震えた。
そこに腰をぼりぼり掻くお父さんが入ってきた。お父さんは卒業式のために休んだけど、延期と聞いた途端不貞寝したらしい。


「この校舎……」


私たちの学校を捜査する警察が映し出された。ブルーシートの向こうで死体は運ばれ続ける。運ぶ影が写らなくなるのはいつになるか……。


犠牲者は多く、今分かっているだけでも画面の半分を埋めた。名前を一つ一つ読んでいく。家瀬 輝前の文字があった。御浜 柚、小川 美郷、と付け足した。


またオムライスを口に運ぶ。口がぶるぶる震えて仕方が無い。
もう味が分からなくなっていた。いっぱいつめこみながら、震えるのを抑える。次第に頬が痛くなっていった。
飲み込むまで口は開けられないし、声をあげて泣くことなんて許されない。


やっぱりリーダーの力不足のせいでこうなったんだから。