また公園のベンチに座った。奈可は涙と共に起きたことを出した。


「体育で……私ともう一人の子が残ってたんだけど……その子が死んだ。何も悪いことしてないのに……!」


奈可もここに残されていた。
皆、何も悪いことをしていない。制服を着崩すのだって、よくはないけど悪いとも言い切れない。


「愛実ちゃんと可八ちゃんも……」


私は奈可の顔を見返した。


「愛実が……」


「うん。春菜ちゃんを助ける形で……」


「私のせいだ……私がもっとしっかりやっていれば……」


家頼さんは私のせいで死んだんだ。


犠牲は出さないと言っておきながら……自分を助けてくれた人を犠牲にした。
私は何も成し遂げられないの?こんなの一学期の頃の私が見たら全力で怒りに来るよ。


「なんで、届かないの……!」


望んだ未来に届かない。いつも私ならいけると思いながら生きてきたけど、私には出来ないのかもしれない。